雑記

何年ぶりかに早起きして、シンケンジャーを見た。
正確には“見た”ではなく、テレビをつけたらたまたまやっていたであるが、この際どうでもいい。
その展開が実に衝撃的であったので、ここに記しておこうと思う。


侍戦隊シンケンジャー
簡単に言えば良くある戦隊物である。
侍の末裔であるシンケンレッド(どうやら名家の当主らしい)とその仲間たちが、化け物と闘うというストーリー。
簡単に言えば「戦隊物プロット」をサムライに当てはめただけの至極簡単な物語である。


ちょうど見たのは46話。毎シリーズ50話程度と考えると、佳境も佳境といったところである。
その展開が衝撃的であった。


 今まで46話シンケンレッドとして活躍してきた主人公が、実は本当は当主ではなくて影武者だった。
 本来のレッドは実は女「今までありがとう、これからは本当の当主の私が闘うわ!」


超話をはしょればこんな感じである。


レッドがホントは女?しかも当主?なんだこの展開は。
大体“影”なのにも関わらず、守るべき光とは性別が違うとは一体どういうことだろうか。
影武者を戦略的に有効活用した武田信玄が聞いたら怒りますよ。


そもそも当主、しかも特殊技能を持つ家系(どうやらレッドの家系は炎を扱えるらしい)が女性であるというのは違和感がある。
特異家系の当主が女性というのは、容認すべきではないと私は考える。
これは近年論議の対象の1つとなっている女性天皇問題に近い側面を持つ問題ではないだろうか。


ご存じのように女性天皇問題の焦点は、皇太子徳仁親王の第一子が女性であったということから端を発した問題である。
神道儀礼といった古来より続く儀礼が男性しか参加できない物であるから」など、様々な点が論議の対象となっているが
そもそもの問題点は「女系」の血筋を継続させることに対する意見である。
これは科学的な問題、簡単に言えば染色体に関する問題だ。
ヒトの性別は通常、染色体によってXYまたはXXと定義されている。
XYが男性、XXが女性である。
一目瞭然であるが、Yは女性にはない。
ここがポイントだ。
つまり、天皇制が始まって以来永続的に続いてきた「Y染色体」が消えてしまうということが問題の1つとされている。
Y染色体は通常男性特有の染色体であり、男系を続けていくことによって次世代に受け継いでいくことができる。
より色濃く血が続いていくということだ。


これが「正しいか正しくないか」とか女性天皇の有無を語りたいわけではない。
特殊技能を持つ家系に対して、シンケンジャー女子当主問題は通じる部分があるのではないかということだ。
シンケンレッドの家系は火を操るチカラを持つ(火”のモヂカラと言うらしい)
推測するにこれは、初代当主から代々続く特殊技能。
当主ともなれば、その力は他者を寄せ付けないほどに決定的な技能であることが考えられる。
当然それを受け継ぐべき次代の当主も強い力を持っていなくてはならない。
できるだけ色濃く次がれることが望ましい。


そこで登場するのが染色体問題である。
おわかりであろうが、血を濃く受け継ぐためには男性である方が望ましい(はずである)。
なのに本当の当主は女性。侍という300年以上続く家系にもかかわらず、当主が女性というのは大きな問題ではないだろうか。


例えば、将軍徳川家。多くの大奥を抱え、常に男子を欲してきた。
当主は常に男性である。これは、男尊女卑の時代であったというのが大きな理由だ。
男尊女卑の考え方は、近代に否定されるまで絶対的な考え方とされてきた。
つまりは「力の強さ」こそが権威の象徴という時代である。
より強い腕力を持つ物、グループが権力を持つ時代。世界的に見てもこれは絶対的な価値判断の1つだ。
歴史は常に腕力・武力を持つ物たちによって変えられてきた。
象徴的なのが将軍。侍の家系である。
だからこそ、常に大奥を抱え、男子を欲してきた。


現代ではこんな考え方は当てはまらないが、シンケンジャーに登場する当主は、力こそが絶対的な権力の象徴である(はずだ)。
何しろ特殊技能を扱い異物を倒す存在である。
しかも科学の発達した現在。男系の方が血を継続的に残せることは周知の事実だ。
なのにもかかわらず、当主が女性。これはゆゆしき問題ではないだろうか。


「前代の当主には女性の子供しか生まれなかった」などという理由ももちろん考えられるが。
当主が女性ということを当たり前のように表現することには違和感を得ざろうえない。
次代の当主に関してどういった見解を持っているのか知りたいところだ。




一番の違和感は、
子供向け番組のちょっとしたシーンにこんなバカな発想をする自分なのだが。